トラック業界関係者がまとめた１月の普通トラック（積載量４トン以上の大型・中型トラック）の販売台数は、前年同月比１３・５％減の４０２８台と、１５カ月連続で前年同月の実績を割り込んだ。ただ、エンジン不正問題で２０２２年３月から一部車両を出荷停止している日野自動車を除く３社は、前年実績を上回った。

半導体不足による生産制約や日野自の出荷停止によって、２２年５月から４社合計の販売台数は、前年同月を３０―４０％程度下回る状況が続いてきたが、減少率が縮小。減少率が２０％を切るのは２２年１月以来、１年ぶりだ。

大型トラックは、日野自が同７１・９％減の３２５台と大きく落ち込んだものの、他３社は前年実績を上回った。特にＵＤトラックスは同５１・９％増の６３２台と大幅に伸ばし、日野自、三菱ふそうトラック・バス（５９５台）を超えた。いすゞ自動車も同１３・０％増の１０３２台と好調だった。

中型トラックでは、日野自が同２３・８％減の５９７台、いすゞが同３・９％減の６３５台と前年同月を割り込んだものの、三菱ふそうは同３７・５％増の１７６台だった。

日野自は大中型トラックの一部車両で型式指定が取り消されているが、１月３１日に大型トラックの一部車両で型式指定を再取得。対象の車両の出荷を２月中旬から再開する。２２年３月期に国内販売したトラック、バス合計の約１５％に当たり、大きな前進だ。大型トラックの出荷は２２年３月から止めていたため、約１年ぶりとなる。

見通しについて日野自の中野靖最高財務責任者（ＣＦＯ）は「まずは既に注文している顧客の対応に専念する。今後、順調にいけば受注を増やしていける」と話す。