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メタル電線で価格抑制、航空電子が開発した「スマート衣料向けケーブル」の実力

メタル電線で価格抑制、航空電子が開発した「スマート衣料向けケーブル」の実力

メタル電線と銀糸リボンを組み合わせたハイブリッドケーブルは銀製のケーブルと比べて価格を抑えられる

日本航空電子工業は、主に心拍などの生体情報の取得に使う「スマート衣料」向けのハイブリッドケーブルを開発し、提案活動を始めた。電極布とコネクター、もしくは電極布とプリント基板などの間を接続する役割を果たす。銀製のケーブルと比べて価格を約半分以下にできるため、顧客は導入が容易になる。量産開始は2024年の予定。スポーツやヘルスケア分野などでの利用を見込み、量産後は年間5万本の販売を目指す。

ハイブリッドケーブルは、メタル電線と銀糸リボンを組み合わせたもの。従来、配線には銀を使っていたが、配線の距離が長くなると銀を使う量が増えるため、コストがかさむ点が課題だった。メタル電線に置き換えることで価格を抑えられる。

ハイブリッドケーブルをスマート衣料で使うことを想定する

スマート衣料のほかにも、マットレスの下に敷いて寝姿勢や心拍を測定するシートにも使える見込み。「シートは比較的大きいので、電極同士が離れている。ハイブリッドケーブルを使うことで対応できる」(コネクタ事業部製品企画部の松永章宏シニアマネージャー)という。ケーブルは顧客の要望に応じてカスタマイズする方針。

同社はスマート衣料向けコネクター「RK01シリーズ」の量産を20年に開始。Xenoma(ゼノマ、東京都大田区)が開発した電気刺激で筋肉を収縮するEMSスーツなどに導入実績がある。

ハイブリッドケーブルはRK01シリーズとの接続もできる。松永シニアマネージャーは、ハイブリッドケーブルに関して「衣服以外の分野も含めてマーケティングを行っている」とした。

日刊工業新聞 2023年01月31日

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