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電動化に2兆円投資するスズキ、社長が語ったEV販売戦略

電動化に2兆円投資するスズキ、社長が語ったEV販売戦略

成長戦略を説明する鈴木社長

スズキは26日、2030年度までに設備投資や研究開発に4兆5000億円を投じると発表した。このうち電動化関連投資に2兆円(電池関連5000億円を含む)を充てる。脱炭素に向けた投資を上積みし、売上高を30年度に21年度比2倍となる7兆円規模まで高める。中長期的に成長できる経営基盤の構築を急ぐ。

スズキは電動化を加速する。30年度までに電気自動車(EV)を日本で6モデル、欧州で5モデル、インドで6モデル投入する。EVの販売比率を同年度までに日本で20%、欧州で80%、インドで15%まで高める。まずは日本で23年度、欧州、インドで24年度にEVを投入する。国内でのEVの販売価格は「100万円台まで抑えたい」(鈴木俊宏社長)という。

小型・中型の電動2輪車も24年度に投入する計画。30年度までに8モデルを展開し、販売比率25%を目指す。大型2輪はカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)燃料での対応を検討する。

日本の全工場で35年度までにカーボンニュートラルの達成を目指す。2輪車の生産拠点、浜松工場はカーボンニュートラルを実現する時期を27年度に前倒しする。エネルギー使用量の削減や太陽光発電設備を増設する。

鈴木社長はEVの販売戦略について「(30年度に売上高7兆円を達成するためには)世界で450万―500万台程度の達成が求められる」とした上で「そのうちインドで300万台、日本で80万台程度を見込んでいる」と話した。収益性については「投資がかさむので確保するのが難しいが、営業利益率を最低5%確保したい」とした。

電池の調達についてはさまざまな連携を模索しているものの「まだ発表できる段階ではない」(同)という。


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日刊工業新聞 2023年01月27日

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