日産自動車のスポーツ多目的車（ＳＵＶ）「キャシュカイ」の２０２２年の英国販売が４万２７０４台となり、同国の新車販売台数で首位となった。日産車が英国の年間販売台数でトップになるのは初という。現行のキャシュカイは独自のハイブリッド車（ＨＶ）技術「ｅパワー」を欧州で初搭載するなど駆動装置（パワートレーン）の選択肢を増やした。

日産は第３世代となる現行のキャシュカイを英国で２１年に発売。まずは排気量１３００ｃｃのガソリンエンジンを採用し、燃費性能を高めたマイルドハイブリッドシステム搭載車を投入した。２２年には同１５００ｃｃの可変圧縮比エンジンを採用したｅパワー搭載のＨＶを発売。エンジンを発電のみに使い、モーターで駆動するｅパワーが欧州でどのように受け入れられるのか注目されている。

日産は英国で現行キャシュカイの設計、エンジニアリング、生産を手がけ、欧州などにも輸出する。英国を含む欧州で２１年度に１３万６０００台を受注するなど人気を集める。

英国自動車工業会によると同国市場全体の２２年の新車販売は前年比２％減の約１６１万台だった。部品不足の影響で低迷したが、キャシュカイは同４３％増と好調に推移した。