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「特定人材の活躍推進だけではない」…三菱ガス化学がD&I活動で目指すゴール

三菱ガス化学は、多様な人材が活躍する「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」活動を推進する。総務人事部の横瀬恵美子D&I推進グループマネージャーは、「D&Iは、多様な人材の雇用や女性・外国人など特定の人材の活躍推進だけではない」と強調する。多種多様なアイデア・発想が次々に生まれる風土をゴールとしている。

特徴は、働き方改革や健康増進、疾病予防も含め総合的に進めているところ。「全ての人の活躍を促すのに健康も重要」(横瀬グループマネージャー)。働き方改革は、多様な働き方を可能とする環境づくりにつながる。

女性活躍に関しては仕事と家庭の両立支援の充実で出産を理由にした退職はほぼなくなった一方、キャリア開発支援は途上だ。「管理職に不安を感じる女性もいる。男性的なリーダーシップ以外に、支援型リーダーシップもあることを研修で伝える」(同)とする。 同社は2019年8月のダイバーシティ推進室設置後、こうした取り組みを強化してきた。「定量的な成果はこれからだが、社員の意識は変わってきた」(同)。例えば、男性の育児休暇取得率は増加。働き方改革に関連し、20年4月から21年9月にかけて1200以上の業務効率化の提案が上がってきた。各工場においても女性が働きやすい現場への改善が始まった。

また、D&I推進専門の社内広報誌などを制作し、情報発信を通じた社員意識の醸成にも力を入れる。

「今後、人事グループとも相談しながら、働きがいの向上に取り組みたい」と横瀬グループマネージャー。個性に合わせて適材適所で働く仕組みづくりも検討している。

21年に実施した社員意識調査の結果、働きがいに影響を与える要素の上位5項目として、①仕事の達成感②仕事の意義・目的③仕事への適応感④自分の成長実感⑤金銭的報酬、が上がってきた。今後、こうした調査結果をヒントに、施策へ落とし込んでいく考え。

日刊工業新聞 2022年12月13日

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