どうする賃上げ、経済3団体トップが強調した姿勢
経団連、日本商工会議所、経済同友会のトップは5日、新年祝賀会後の共同会見で賃上げに前向きな姿勢を強調した。日本経済は20年以上物価と賃金の上がらない状態が続いたが、資源エネルギー高などが状況を一変させた。製品サービス値上げと賃上げの好循環実現に向けた千載一遇のチャンスとなる。
経団連の十倉雅和会長は2023年の春季労使交渉(春闘)に向けて「コストプッシュ型のインフレからデマンドプル型のインフレに移行させる絶好の機会だ。持続的な賃上げをやらなければならない。ベースアップ(ベア)を中心に物価高に負けない賃上げをお願いしたい。これは企業の責務だ」と述べた。
国内雇用の7割を占める中小企業を代表する日商の小林健会頭は「賃上げできる年になることを切に期待している。持続的な賃上げには取引価格の適正化、あるいはDX(デジタル変革)など生産性向上で原資を確保するのが1番の近道であり、不可欠だ」と値上げの必要性をあらためて訴えた。
経済同友会の桜田謙悟代表幹事は「インフレ率を超える賃上げは平均値でもって達成するのは簡単ではない。同友会でも8割の企業は賃上げに前向きだが、その額や率については極めてばらつきがある。賃上げできるところはしっかり賃上げを行うべきだ。5%にこだわる必要はない」と話した。
日刊工業新聞 2023年01月06日