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日本電産が出資したリチウムイオン電池スタートアップの正体

日本電産が出資したリチウムイオン電池スタートアップの正体

日本電産が展開するBESS(同社提供)

【京都】日本電産は米国のリチウムイオン電池(LiB)開発スタートアップ、コアパワー(アイダホ州)に出資した。コアパワーが米アリゾナ州で2024年末に稼働するセルの新工場建設に向けた資金調達に応じたもので、独シーメンスの金融子会社が中心となって合計7500万ドル(約100億円)を出資。日本電産の出資額は明らかにしていないが、LiBセルの安定調達につなげる。

コアパワーの新工場は24年に年産600万キロワット時で立ち上がる見込み。同社は電気自動車(EV)やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)向けに電池を供給しており、日本電産は再生可能エネルギー貯蔵向けに展開するBESS事業でのセルを調達する。新工場は需要拡大に応じて同1200万キロワット時以上まで増強する計画で、自動車メーカーから独立した大規模なセル工場としては米国で初という。

日本電産の米国子会社で、家電・産業・民生用のモーターなどを手がける日本電産モータ(ミズーリ州)が出資した。日本電産は欧州や南米・アフリカなどでBESS事業を展開し10月時点で累計130万キロワットのBESS出荷実績がある。需要はひっ迫気味という。

日本電産はルクセンブルクの半固体リチウムイオン電池メーカーであるフレイヤーバッテリーと合弁でBESS向け電池モジュールなどを製造する子会社を設立するなど、これまでも電池の安定調達を図ってきた。


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日刊工業新聞 2022年12月28日

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