村田製作所が自動車部品強化、慣性センサー国内生産
村田製作所は車載向けに需要拡大が見込まれるフィンランド子会社の慣性センサーの国内生産を始める。2025年3月までに金沢村田製作所(石川県白山市)で生産体制を構築する。また車載向けフィルムコンデンサーでは村田指月FCソリューションズ(秋田県羽後町)に生産棟を新設し、23年春頃に量産を始める。足元でスマートフォン向けなどが減速するが、車載向けを強化で、事業基盤を安定化する。
フィンランドで生産している慣性センサーは微小電気機械システム(MEMS)がベース。安全運転支援システムなどで使用され、自動車の電動化、電装化の進展で需要増が見込まる。国内生産により生産地を分散し、事業継続計画(BCP)も強化する。金沢村田では既に後工程の生産体制を構築済み。フィンランドから技術移管を進め、前工程の生産体制も構築する。
フィルムコンデンサーはモーター駆動用インバーター向けが主力。一般的には105度Cまでだった保証を125度Cまで高め、連続使用を可能にした。炭化ケイ素(SiC)パワー半導体との組み合わせに最適化し、電気自動車(EV)などでの採用増を見込む。
村田製作所はモビリティー分野向けが売上高の約20%を占める。電動車需要などで伸長しており、売上高構成比を「30%程度に伸ばしたい」(中島規巨社長)。同時に積層セラミックコンデンサー(MLCC)への依存度引き下げも狙う。
日刊工業新聞 2022年12月27日