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深宇宙小型実証機「DESTINY+」運用、JAXAと共同研究する福井工大が生かす力

深宇宙小型実証機「DESTINY+」運用、JAXAと共同研究する福井工大が生かす力

JAXA深宇宙探査技術実証機「DESTINY+」(イメージ、福井工大提供)

【福井】福井工業大学は宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、新たな軌道操作で深宇宙を目指す小型実証機「DESTINY+(デスティニー・プラス)」の運用に関する共同研究契約を結んだ。同小型機はJAXAが2024年度に打ち上げ、スパイラル軌道で徐々に高度を上げ、月を経てさらに遠い小惑星フェートンを目指す計画。福井工大はコンパクトなパラボラアンテナ2基で技術課題に挑む。

同小型機は約480キログラムの機体重量。低い軌道まで低コストで送り、天体の重力などを利用して深宇宙に向かう。深宇宙の流星群ダスト(ガス、ちりなど)を探査する有望な手法と見ている。

軌道のずれを捕捉するアンテナ操作や頻繁な衛星との通信など、ダイナミックな運用になるという。福井工大は文部科学省の支援を活用し、また運用には学生の力を積極活用する。JAXAの大型アンテナ(口径34メートル、同54メートル、同64メートル)と、福井工大が23年8月に整備する口径13・5メートルと、22年8月完成の同3・9メートルのアンテナを使う。連携技術を確立し、JAXA局の補修時は福井工大がメーン局を担う形も想定している。

日刊工業新聞 2022年12月13日

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