仮想空間と実際の被写体を合成、ソニーGがアピールする環境技術の中身
気候変動対策・資源循環に貢献
国連の気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が20日、閉幕した。会期を延長して交渉が行われたこともあり、環境問題の重要性が再認識された。企業も技術開発やPRに力が入る。
10月に開催された展示会でソニーグループは、気候変動対策や資源循環に貢献する技術・商品を一堂に集めた。中でも目を引いたのが、仮想空間と実際の被写体の合成技術。スクリーンの前に立つ女性を撮影した画面を見ると、女性が森にいる映像となっている。スタジオにいながら屋外撮影を再現できるので「ロケの移動で発生する二酸化炭素(CO2)を減らせる」(ソニー担当者)と強調する。
さらに同社は段ボールを材料とした緩衝材を出品した。触れると柔らかいが、力を加えても形状を保つので発泡スチロール代替として使える。使用済み段ボールを粉末状にし、泡立てながら接着剤と混ぜて形成する製法を確立した。
他社ではシャープがセンサーの電池代わりになる色素増感太陽電池を出展。NECはCO2排出量や水の使用量など環境データを一元管理できるシステムを紹介した。感染症対策が定着し、展示会で来場者に技術を紹介できるようになり、各社とも商談に熱が入る。
日刊工業新聞 2022年11月25日