導電性100倍以上、3Dプリンターで3Dフレキシブル配線造形に成功した意義
横浜国立大が実現
横浜国立大学の向井理特任助教と丸尾昭二教授らは、3Dプリンターで3Dフレキシブル配線を造形することに成功した。光造形で光硬化性樹脂を立体造形してから後処理で導電性を持たせる。導電性は1センチメートル当たり16ジーメンスと100倍以上向上した。電子部品を3次元的に実装する小型高密度デバイスにつながる。
導電性高分子のポリエチレンジオキシチオフェンで立体配線を作る。光硬化性樹脂に重合前のエチレンジオキシチオフェンを混ぜて立体構造を作り、酸化重合反応を起こして高分子とする。さらにトルエンスルフォン酸水溶液で後処理して導電性を付与する。
立体造形と重合反応、導電性付与の工程をそれぞれ分けて最適化したことで1センチメートル当たり16ジーメンスの導電性を実現した。従来は同0・04ジーメンスだった。光硬化性樹脂に軟らかい素材を用い、柔軟性を持たせた。ポリイミドフィルム上に配線を造形してLEDがともることを確かめた。ピラミッド構造の3D配線にも成功。立体的な電子回路を作製できるようになる。
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日刊工業新聞 2022年11月24日