トヨタ系部品メーカーが開発、CO2排出量を半減する竹由来の新樹脂材料の用途
東海理化は、ABS樹脂に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を半減できる竹由来の樹脂材料を開発した。樹脂と竹素材を同比率で配合しており、独自工法で射出成形時の形状変化や臭いといった課題を解決した。自動車用電子制御ユニット(ECU)ケースへの応用を視野に2024年に実用化し、25年の量産を目指す。
新材料「バンブープラス=写真」は東海理化の関連会社であるミロクテクノウッド(高知県南国市)、高知県と共同開発した。竹を砕くなどの処理で繊維にした竹素材にポリプロピレン(PP)を混ぜてペレット化しており、既存設備で成形できる。ABSより耐衝撃性は多少劣るが、耐熱性や弾性は向上したという。
電動化でECUケースは需要増が見込まれるが、成形のしにくさや強度が課題でABSから脱炭素素材への置き換えが難しかった。今枝勝行執行役員は「竹由来の素材に代替できれば、CO2排出量削減効果は相当大きい」と期待を込める。
竹素材は他の樹脂とも配合でき、フェイクレザーなどへの応用が可能。車部品と民生品の両面で採用を広げたい考えだ。
日刊工業新聞 2022年11月22日