奪い合い激化するIT人材獲得へSCSKが一手
SCSKは2024年度新卒採用から職種別採用を導入する。学生は選考段階から技術、営業、コーポレートスタッフ職の三つから職種の選択が可能。キャリア観が定まっていない学生や、会社理解を深めた上で判断したい学生向けに従来通り入社後約5カ月間の研修を踏まえて配属を決める「オープンコース」も併設する。近年IT人材の獲得が激化する中、内定辞退者を最小限に抑え、優秀な学生の採用を実現する。
SCSKは従来、新入社員を総合職として一括採用し、新人研修で適性を見極め、配属先を決めていた。ただ内定辞退者を対象とした調査では3人に1人が配属に不安を抱えていたことが分かった。
このため21年度からは特定の技術分野で優秀な成績を収めた学生に対し、学生時代の学習成果を発揮できる部署やR&D部門への配属を確約するという取り組みを始めた。具体的なキャリア観を持って応募する学生が増える中、職種別採用も取り入れ、優秀な人材をつなぎとめる。
SCSKは30年の「共創ITカンパニー」実現に向け、多様な技術・経験を有したマルチ人材の育成を急ぐ。入社後もキャリアアドバイスの場を提供するほか、ジョブローテーションも柔軟に対応するなど、社員のキャリアマネジメントを支援する。
IT業界では競合のみならずユーザー企業との間でも人材の獲得競争が激化している。SCSKは近年、新卒採用を積極化しており、23年度は280人を採用する予定。24年度は250―300人規模を見込む。全体の約8割が技術職へ配属される見通しだ。
日刊工業新聞 2022年11月18日