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食材で「犬」を造形、山形大のフード3Dプリンター技術がスゴい

体験価値などビジネス提案
食材で「犬」を造形、山形大のフード3Dプリンター技術がスゴい

フード3Dプリンターで造形した忠犬ハチ公(山形大提供)

山形大学の渡辺洋輔助教と古川英光教授らは、フード3Dプリンターで犬型やラティス(格子)構造などを造形することに成功した。食材の外形制御はフィギュアなどの造形、内部構造制御で触感を調整できる。ウエディングケーキの飾りなど、3Dデータを残して記念日に造形するなど、食とサービスを組み合わせたビジネスモデルを提案していく。

でんぷん溶液をレーザーで加熱して糊化させ、これを積層して立体構造を造形する。でんぷんには米粉、レーザー光を吸収する色素には未利用野菜の粉末を利用する。米粉などの乾燥粉末と水を混ぜてフードインクを作る。原料粉末は安定して長く保存できる。

材料と造形条件を最適化し、忠犬ハチ公を模した犬型やラティス構造、中空五角柱などの幾何構造を作成できた。角はするどく成形できるなど、デザイナーの求める造形品質を達成できた。

内部にラティス構造をもつ造形物は噛(か)む方向によって食感が変わる。噛み切りやすさの分布を制御して一口の大きさを誘導したり、年齢に応じた咀嚼(そしゃく)の回数や具合を最適化 できる可能性がある。

食材の立体造形技術の概念実証(PoC)に成功し、サービスやビジネスモデルに合わせた開発を進める段階にある。冠婚葬祭や七五三などの催事で食べた食飾りを身近な記念日に造形して思い出すなど、食材と体験価値を結びつけた付加価値を提案する。技術の詳細は高分子学会が15日から開く「第31回ポリマー材料フォーラム」で発表する。


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日刊工業新聞 2022年11月08日

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