「物価高倒産」急増で過去最多、中小・零細に“最後の追い打ち”
帝国データバンク(TDB)がまとめた、2022年度上期(4―9月)の「物価高倒産」動向調査によれば、物価高倒産は159件となり、調査開始の2018年以降で最多だった前年同期の75件を大幅に上回る過去最多だったことが分かった。TDBは「経営体力が限界に達した中小・零細企業を中心に、物価高が“最後の追い打ち”となり、事業継続断念に追い込まれる『物価高倒産』が、前例にない水準で推移していきそうだ」としている。
業種別では「建設業」が40件でトップで全体の約25%を占めた。以下、37件の「運輸・通信業」、29件の「製造業」、24件の「卸売業」と続いた。
業種の詳細別では「運輸業」が37件で首位。次いで「総合工事」が24件、「飲食料品製造」が13件、「職別工事」が10件となった。
9月単月では35件判明し、月間最多だった8月の34件をさらに上回り、3カ月連続で最多を更新した。業種別では「建設業」が10件、「製造業」が9件、「卸売業」が6件、「小売業」が3件と続いた。
TDBは「物価高倒産」を法的整理(倒産)企業のうち、原油や燃料、原材料などの「仕入れ価格上昇」、取引先からの値下げ圧力などで価格転嫁できなかった「値上げ難」などにより、収益が維持できずに倒産した企業と定義している。
日刊工業新聞2022年10月14日