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商船三井が完成、伸縮帆搭載「風力ハイブリッド船」の全容

商船三井が完成、伸縮帆搭載「風力ハイブリッド船」の全容

硬翼帆は高さ53メートルまで伸びる

商船三井と東北電力は風力を推進力に活用する装置「ウインドチャレンジャー帆」を搭載したバラ積み船の命名・引渡式を大島造船所(長崎県西海市)大島工場で開いた。船名は「松風丸(しょうふうまる)」とした。

東北電力の専用船として豪州や北米から石炭を輸送する。伸縮可能な帆(硬翼帆)で風を受けて推進エネルギーとし、燃料消費と温室効果ガスの排出を減らす。全長約235メートル、全幅約43メートル、載貨重量は10万422トン。

商船三井は2050年までに事業全体で温室効果ガスの排出量ゼロを目指す。同社の橋本剛社長は「長期的にはアンモニアの活用なども考えられる。さまざまな取り組みで脱炭素化に貢献したい」と述べた。開発に携わった大島造船所の平賀英一社長は「二酸化炭素排出量削減は造船業にも喫緊の課題。技術で貢献できれば」と話した。

日刊工業新聞2022年10月10日

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