ANAが国内初投入、「サメ肌」ジェットの効果
全日本空輸(ANA)は、サステナビリティー(持続可能性)をテーマにしたボーイング787型機の特別塗装機「ANAグリーンジェット」を報道関係者に公開した。水と緑をモチーフのデザインに採用。胴体の一部に燃費改善効果があるニコンの「リブレットフィルム」を国内航空会社として初導入、耐久性を検証する。2機を運航し、1機目は5日の羽田―サンフランシスコの定期便で運航。2機目は11月に国内線で投入する。
ANAの井上慎一社長は「お客さまとともに新しいサステナブルなフライトを作り上げたい。たくさん搭乗していただき、意見や要望をいただきたい」と期待を述べた。
同フィルムは、「サメ肌」のような微細な凹凸の表皮をしており、機体表面を流れる空気の摩擦抵抗を低減できる。仮にANA全機の機体表面の約8割に装着すれば年間約30万トンの二酸化炭素(CO2)排出量削減が見込めるという。
東レやベンチャーのアップサイクル(青森市)がそれぞれ開発した、植物由来の素材を一部に利用した人工皮革「ビーガンレザー」を使うヘッドレストカバーも導入した。
日刊工業新聞2022年10月4日