トヨタ・ルネサス・テンセント登壇…モビリティーの未来はどうなる?
世界のモビリティー産業には、電動化や移動サービス、自動運転など多様なトレンドが押し寄せている。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向かう中で、あらゆるプレーヤーは予見の困難さが加速する世界情勢に見通しを立て、また従来になかった連携が不可欠となっている。
こうした中、グローバル調査会社のS&Pグローバル・モビリティーと日刊工業新聞社の共催によるイベント「IEB AutoTech2022」(インターナショナル・エグゼクティブ・ブリーフィング・オン・オートモーティブ・テクノロジー)が11月15日、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで開かれる。モビリティーの未来を形成する要因を深堀りする機会となる。
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IEB AutoTechは自動車産業の経営幹部層に向けたグローバルイベントで、今年、8回目を迎える。メーカー、政府機関、サプライヤー、研究機関など自動車産業のステークホルダーが集結。これからの経営戦略やモノづくりの方向性などを考える機会を提供する。
S&Pグローバルの調査によると、世界の2022年における自動車販売台数は7月までの累計で369万台減少している。コロナ禍における混乱が続く中、サプライチェーン(供給網)への圧力、中国でのロックダウン、ロシアによるウクライナ侵略、中国政府の自動車刺激策などを反映し、依然として続く不確実な影響要因から、脆弱な状態が続いている。
半導体の供給改善が報告される一方、半導体を組み込んだコンポーネントの安定供給に苦慮しているメーカーも存在する。ウクライナ危機に関連した部品の供給停止、原材料の不足(特にパラジウム、プラチナ、ニッケル)、エネルギー価格と供給懸念などの制約も継続している。ロシアと欧州の分離も進行し、今後数カ月から数年の単位でモビリティーのエコシステムに大きな影響を与えるとみられる。このほかにも自動車ユーザーの嗜好変化として、所有からシェアリングサービスなどへ移行が進んでいる。
IEB AutoTechの会場では、こうした自動車市場の変化と未来を見据え、S&Pグローバルのアナリストならではの洞察を踏まえた最新分析の解説が提供されるのはもちろんのこと、多くの国内外からこの日のために集まったゲストスピーカープログラムが用意されている。
午前中の全体セッションでは、中国自動車工業協会(CAAM)やインド自動車部品工業会(ACMA)のプレゼンテーションのほか、中国IT大手のテンセントからインテリジェント・モビリティー戦略担当ゼネラルマネージャーの発表などが予定されている。
また午後には①脱炭素化とコンプライアンス②モビリティーの展望とサプライチェーン③E―モビリティの技術エコシステムという三つのテーマに分かれたブレークアウトセッション(分科会)がラインアップされ、同時進行で開かれる。
ブレークアウトセッション2では、ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表のモデレートにより、経済産業省製造産業局自動車課の田邉国治自動車戦略企画室長、トヨタ自動車の熊倉和生調達本部本部長、ルネサスエレクトロニクスの片岡健執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部長が登壇するパネルセッションに注目が集まる。
本イベントを担当するS&Pグローバルのアナベル・トク氏は「業界の進化と合わせ、カーボンネットゼロへの道筋、電動化の台頭、コンプライアンスの課題と各大陸のモビリティートレンド、そしてエネルギー安全保障とサプライチェーンにかかわる地政学的緊張など最新の対話分野を盛り込んでいる。ぜひ最新トレンドに触れてほしい」と見どころを解説する。
リアル会場の参加費は、現地でしか聞けないQ&A、ランチなど込みで通常価格は税込み5万5000円。また10月14日までは早割料金の同4万4000円で受け付けている。
IEB AutoTech 2022
(第8回 Automotive Technology International Executive Briefing)
テーマ:「モビリティの未来を再定義するーネットゼロ|電動化|サプライチェーン」
開催日:2022年11月15日(火)
現地会場:虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー5階)
主催:S&P Global Mobility
共催:日刊工業新聞社
参加費:55,000円(税込)