大きさは髪の毛数本分、「自律2足歩行ロボット」の全容
米コーネル大学などは太陽電池と制御回路チップを組み込み、本体だけで自律的に歩行する微小ロボットを開発した。3種類あり、大きさは髪の毛数本分に相当する100マイクロ―250マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。概念実証(PoC)の段階だが、メモリーやセンサーのほか新たな機能を付加することで、医療や環境修復などの分野への応用を目指すとしている。
光リソグラフィー手法により、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ウエハーに約1000個のトランジスタからなる100マイクロ×60マイクロメートルのクロック回路と太陽電池を作製。回路の発する周期的な矩形波により、アクチュエーターの脚を交互に動かす。歩行速度は毎秒10マイクロメートル以上という。
2足タイプと4足タイプのほか、アリのように3本ずつ足を動かす6足歩行の3種類ある。4足タイプでは照射する光信号によって制御周波数を変化させ、歩行を速められた。
成果は米科学誌サイエンスロボティクスに掲載された。
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日刊工業新聞2022年9月28日