ゲームからモノづくりへ、メタバースの地平は広がるか
ゴーグル型のヘッドセットを使った仮想現実(VR)やメタバース(仮想空間)の世界観を体験できるゲームづくりをする企業が海外勢を中心に広がってきた。ゲーム業界からモノづくり業界に今後、どう展開されるのか、注目すべき点となりそうだ。
3年ぶりにリアル方式で15日に開幕した世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ2022」には、中国Picoと米メタ(旧フェイスブック)がブース出展した。両社のヘッドセットに対応し、メタが開発・販売するVRゴーグル「メタクエスト」を使ったVRゲームが体験できる。メタの担当者は「パソコンやゲーム機がなくともゲームが楽しめる。価格性能比も高く、VR市場を牽引(けんいん)している」と自信を示す。
ゲーム以外にメタバースを活用する企業もある。出展したスイスのパッチXRは、メタクエストに対応し、メタバース内で音楽や楽器を作ったり、演奏したり、セッションしたりできる基盤ソフトの日本進出を決めた。
調査会社のMMD研究所(東京都港区)が4月に実施した「メタバースに関する調査」によると、メタバースに対する認知は43・4%。一方、利用経験は5・1%にとどまっている。今後、メタバースなどをモノづくり業界に展開するためにも、まずは人々が体験する機会を増やす必要がありそうだ。
日刊工業新聞2022年9月16日