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三菱電機が特許公開加速で協業したい分野

三菱電機は保有特許や技術を公開する「オープンテクノロジーバンク」の取り組みで、脱炭素やサーキュラーエコノミー(循環型経済)といった他社との協業が欠かせない分野の技術の紹介を増やす。従来は埋もれた技術を紹介することが多かったが、自社の事業戦略上で必要な協業先を探すツールとしても活用する。用途別に技術をまとめるカタログ形式の紹介方法を使い、紹介用途数を2022年度内に21年度末時点比17件増の40件以上にする。

三菱電機は脱炭素やサーキュラーエコノミーといった社会課題の解決につながる事業の創出を目指しているが、事業領域がバリューチェーン(価値の連鎖)全体に及ぶため、他社との協業が不可欠となっている。今回の取り組みは、こうした事業に関する技術をまとめて見せて、自社に足りない技術を持つ協業先などの探索につなげる狙い。

カタログ形式の紹介件数は開始初年度の21年度末に23件だったが、現在は37件となり、22年度目標の達成が視野に入った。脱炭素領域では二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯留(CCUS)関連技術などの紹介を検討している。

オープンテクノロジーバンクでは約7万件の特許や技術から、ライセンス供与が可能なものを中心に、技術マップや特許分布図を使って保有技術を可視化し、ウェブサイトなどで公開している。

用途ごとに複数の技術をカタログ形式にまとめ、技術が分かりやすい形にして、研究開発部門や事業部門、協力会社などが社外に紹介する活動も行っている。こうした取り組みが複数の引き合いや技術交流会にもつながっているという。


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日刊工業新聞2022年9月8日

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