産業用ロボット生産額は過去最高も、先行きに漂う不透明感
日本ロボット工業会は28日、2022年4―6月期の産業用ロボットの受注額(会員ベース)が前年同期比3・3%減の2420億円だったと発表した。減少に転じるのは8四半期ぶり。生産額は同5・7%増の2217億円となり、7四半期連続の増加。四半期ベースで過去最高だった2162億円(22年1―3月期)を超え、2四半期連続で過去最高を更新した。
ロボット需要の回復・拡大傾向は続いているが、新型コロナウイルス感染症再拡大や地政学リスクの高まりなど先行きには不透明感も漂う。
22年4―6月期の国内出荷額は前年同期比3・0%増の400億円で5四半期連続の増加。自動車製造業向けの出荷額は前年同期比0・4%減の110億円となり、2四半期連続の減少。出荷台数も同0・3%減の2469台で4四半期ぶりに減少に転じるなど弱さが見られる。
一方、電気機械製造業向けは出荷額・出荷台数ともに増加。国内出荷台数の構成比で2割弱を占める「電子部品・デバイス・電子回路」向けが同18・5%増の1699台と好調を維持。「産業用電気機械」も同37・7%増の274台となり堅調だった。
輸出額は前年同期比5・8%増の1798億円となり、7四半期連続で増加した。中国向けは前年同期から減少したが、アジア全体では1178億円となり、21年10―12月期ぶりに1000億円の水準に回復した。北米は336億円、欧州は259億円と、高水準が継続。総出荷額における輸出比率が8割超となっている。
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日刊工業新聞2022年7月29日