日揮HDが出資したAIウエアラブル開発スタートアップの正体
日揮ホールディングス(HD)は音声認識の人工知能(AI)を搭載するウエアラブル端末を手がけるスタートアップのフェアリーデバイセズ(東京都文京区)に出資した。同端末は将来、熟練工の指示内容を解析する機能の搭載が検討されている。設計・調達・建設(EPC)を受注したプラントに端末を活用するなどして協業する。出資額は非公表。
国内EPC子会社の日揮(横浜市西区)と共同運営するファンドを通じて出資した。ファンドは2021年設立で、運用総額は50億円。出資は7件目。
フェアリーデバイセズは東京大学発スタートアップで07年設立。騒音環境でも人の声を認識するAI搭載の首掛け型端末を持つ。
端末はカメラ付きで、装着者に対して熟練工が遠隔で作業を指示できる。将来はAIがその内容を解析し、作業員と直接やりとりできる機能を搭載することが検討されている。日揮HDはこうした端末開発に協力することを視野に入れる。プラント建設や完工後の保全に端末を活用することも見込む。
プラント建設・保全は現状、紙での記録が中心とみられる。端末の音声・映像機能で作業内容を自動記録し、デジタル化する。
日刊工業新聞2022年7月11日