電子部品需要が曲がり角、世界出荷額20カ月ぶり前年割れのワケ
好調だった電子部品需要が曲がり角を迎えている。電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した日本メーカーによる4月の電子部品世界出荷額は前年同月比1%減の3484億円だった。2020年8月以来、20カ月ぶりに前年実績を割り込んだ。中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)やロシアによるウクライナ侵攻などで、自動車・スマートフォン(スマホ)各社の生産が落ち込んだ影響を受けたと見られる。
ロシアのウクライナ侵攻に、上海市の都市封鎖の影響も加わってサプライチェーン(供給網)の制約が増大。自動車各社は減産を強いられた。中国ではインフレ進展などもあって景気後退への懸念が高まり、消費者心理が悪化。スマホの販売が落ち込んでいる。
「自動車各社は年度内の挽回生産を目指している」(業界関係者)として、足元の調整は一時的との見方が多いが、「中国の他の都市に都市封鎖が広がれば影響は避けられない」(電子部品メーカー首脳)との声もあり、先行きは不透明だ。
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日刊工業新聞2022年7月1日