4割減ったパソコン国内出荷、半導体不足ともう一つの課題

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電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた2021年度のパソコン(PC)国内出荷実績は、前年度比40・7%減の716万3000台となった。テレワークの普及や、学校教育をデジタル化する政府の「GIGAスクール構想」などで特需が発生した20年度の反動が出た。民間調査会社からは導入されたPCの利活用が必ずしも進んでいないとの指摘もあり、端末の使いこなしがあらためて課題になりそうだ。(阿部未沙子、斎藤弘和)

JEITAによれば21年度のPC出荷の内訳は、デスクトップPCが同7・1%減の121万5000台。ノートPCは同44・8%減の594万8000台となった。

消費者や企業では「デスクトップPCからノートPCへの移行が進んでいる」(JEITA)傾向にあり、構成比の大きいノートPCに反動が強く出たとみられる。出荷台数のうちノートPCが占める割合は19年度が72・9%、20年度が89・2%、21年度は83・0%だった。

また、21年度のPC国内出荷金額は同21・3%減の6976億円となった。内訳はデスクトップPCが同4・6%増の1409億円となり、ノートPCは同25・9%減の5567億円だった。

JEITAの統計が示唆する内容は、21年時点で民間調査会社からも指摘されていた。MM総研(東京都港区、関口和一所長)が21年12月にまとめた調査結果によると、21年度上半期の国内パソコン出荷台数は前年度同期比25・6%減の591万4000台だった。20年度のGIGAスクール構想に伴う特需や、コロナ禍による在宅勤務用PC需要の反動を要因として挙げた。

加えてMM総研は「半導体を中心とする部品不足の影響もあり、法人市場で需要と供給が一致せず、需要減退が見られる」とも分析。PCの買い替え需要が回復するのは22年度下半期以降と予測した。直近ではロシアによるウクライナ侵攻で電子部品の供給網への影響も懸念されており、需要回復が遅れる可能性も考えられる。

他方、導入されたGIGAスクール端末の活用は必ずしも進んでいない。MM総研が21年11月に発表した調査結果では、授業でGIGAスクール端末を毎日利用している生徒は20%だった。また、授業における端末の利用頻度向上に向けた課題の有無を聞いた問いに「課題あり」と回答した自治体が63%となった。

テレワークで導入した情報端末の使いこなしも課題になる(イメージ)

20年度は緊急事態宣言の発令を受けてテレワークを急きょ取り入れた人も少なくない。学校にせよ企業にせよ、PCをはじめとする情報端末を使いこなしているかがあらためて問われそうだ。

日刊工業新聞2022年4月28日

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