高齢者らの街乗りに、看板業者が投入する「超小型EV」の実力
サインクリエイト(浜松市南区、伊藤千明社長)は、電池の工夫や給電機能などを追加した改良版の超小型電気自動車(EV)を市場投入した。高齢者らの街乗りや災害時の非常用電源などとして訴求する。価格は標準モデルで120万円(消費税抜き)、太陽光パネルの充電機器などを搭載したフル装備モデルで220万円(同)。年間10台の販売を目指す。
同EVは佐藤員暢愛媛大学客員教授の協力により、中国製EVをベースに電池や足回りなどを改造した。鉛電池の劣化原因であるサルフェーション(硫酸鉛が結晶化して化学変化しない状態)を改善する手法などを取り入れ、電池寿命を一般的な鉛電池に比べ、3倍ほどの6―9年程度に延ばした。
車両のサイズは全長2170ミリ×全幅1166ミリ×全高1565ミリメートル。家庭用コンセントで充電できる。航続距離は「ライトや空調を使うと50キロメートル程度」(伊藤社長)。高齢者らの買い物などの移動、地元自治体の公用車向けなどに提案する。
オプションで太陽光パネルによるEV向けの充電設備、災害時の停電を想定した給電機能などを用意する。太陽光パネルからの充電を含めれば、一般的な家電の使用で4日間分の電力供給を可能にした。
同社は看板業を手がけ、太陽光発電型の独立電源防犯灯の展開に力を入れる。太陽光パネルや給電機能などは自社のノウハウを生かして製作した。
日刊工業新聞2022年6月27日