伸び18倍、三洋化成が開発した「硬くて曲がるUV硬化樹脂」がスゴい
三洋化成工業は、硬くて曲がり、基材への密着性に優れる紫外線(UV)硬化樹脂「ネオジェットFL」を開発したと発表した。一般的なUV硬化樹脂と同等の硬さを持ちながら、同社従来品比約18倍の伸びを実現した。電子部品や回路の保護材料、フレキシブルディスプレー内部の封止材、加飾フィルムなどでの使用を想定。3年後にネオジェットシリーズ全体で約3億円の売り上げを目指す。
ネオジェットFLはアクリル系のUV硬化樹脂。試験では10万回折り曲げても剝がれや割れが生じず、柔軟性と密着性を確認。75%の伸びも示した。低粘度で吐出安定性が高いことから、インクジェット用途にも使えるという。
ネオジェットシリーズとして、FLのほかにオレフィン基材への密着性が高い「PAD」、金属・ガラスへの密着性が高い「GMAD」の3種類を展開。3種類とも低粘度の新製品として本格的なサンプルワークを始めている。
日刊工業新聞2022年6月24日