ニュースイッチ

プラスチック容器削減で対話集会、学生が提案したアイデア

過剰消費見直し、消費者と連携必要
プラスチック容器削減で対話集会、学生が提案したアイデア

プラスチック削減について対話する学生(後方)と企業関係者(WWFジャパン提供)

キリンホールディングス(HD)やユニ・チャームなど5社が参加し、プラスチック製容器・包装材の削減に向けた対話集会を開いた。学生が「なぜリユース(再利用)容器が実現しないのか」と質問する場面もあり、活発な意見交換で会場は盛り上がった。

このイベントは非政府組織(NGO)の世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が開催し、有識者や政府関係者も加わって資源を繰り返し使うサーキュラーエコノミー(循環経済)へ転換する方法を議論した。慶応義塾大学の学生は、使用済み容器が集まるとデザインが完成する仕掛けを用意して消費者に返却を促すアイデアを提案した。ネスレ日本の嘉納未來執行役員は「可視化や楽しさで消費者を巻き込む提案をしてもらった」と感想を語った。

議論全般を通しても消費者との連携が課題に挙がった。ユニ・チャームの上田健次執行役員は「消費者行動を良い方向に促すために先手先手で(対策を)打つ」と述べ、キリンHDの別所孝彦CSV戦略部主務は「環境活動の発信をしているが、消費者に伝わりにくい」と悩みを語った。

プラスチックの過剰消費の見直しには企業の努力に加え、消費者の理解も必要であることが再認識された。

日刊工業新聞2022年6月10日

編集部のおすすめ