ゲーム感覚で廃棄物を選別、作業員の心理的負担を減らす新システムの仕組み
ウエノテックス(新潟県上越市、上野光陽社長)は、廃棄物の選別を助けるシステム「ELENA(エレナ)」を開発し、25日に発売する。人工知能(AI)やプロジェクションマッピングなどでコンベヤー上の対象物に種類ごとに色違いの光を当て、ゲーム感覚で作業員の判断を助け、心理的負担を減らす。廃棄物中間処理業向け。初年度販売目標は10台。消費税抜きの価格は1台5000万円程度。
未選別の廃棄物が流れるコンベヤーに覆いかぶせるように設置。赤や青などの色がついた光を、種類ごとに対象物の輪郭に合わせて追従するように投射する。立体映像のような視覚効果で選別を簡単にし、作業員の判断を助け、心理的負担を軽減する。さらに、IoT(モノのインターネット)技術により選別時の投げ込み数を集計。従来難しかった出来高比較などもできる。
近赤外線や金属検出機、AIなどで対象を分析し、プロジェクションマッピングで色違いの光を投射する。ソフトウエア部分はゲーム制作経験者などを擁するIT子会社のリタテクノロジー(東京都新宿区)と調整した。装置内のプロジェクターに好みの映像や音楽を流せるため、没入感やリラックス感で作業員の集中力を継続できる。
導入にはコンベヤー上面に、幅600―1500ミリ×奥行き2250ミリ×高さ1500ミリメートルの投影空間が必要。対象ワークは木材、プラスチック、コンクリートがら、紙、段ボール、鉄・アルミニウム。1台当たりの作業員は2人。要望に応じてカスタマイズする。
日刊工業新聞2022年5月23日