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5年ぶりに増加した粗鋼生産の課題

日本鉄鋼連盟が21日発表した2021年度の粗鋼生産量(速報)は、前年度比15・5%増の9563万6800トンで5年ぶりに増加した。コロナ禍で落ち込んだ前年度からは増えたが、半導体不足やサプライチェーン(供給網)混乱に伴う自動車減産の影響などを受けたため19年度の約9850万トンには戻らなかった。

21年度の内訳は高炉3社の転炉鋼が同15・9%増の7115万2000トン、電炉鋼が同14・6%増の2448万4800トン。橋本英二会長(日本製鉄社長)は21年度を計9500万―9700万トン程度とみていたが、22年1月以降続いた生産減が響いてやや弱めの年度数字になった。

3月の粗鋼生産量(速報)は前年同月比4・3%減の795万4600トンで、3カ月連続で減少。日本製鉄名古屋製鉄所の高炉1基が改修に入り供給も抑制されている。鉄連は「今後、原料高騰やウクライナ情勢の影響がどう出るか注視したい」という。

日刊工業新聞2022年4月22日

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