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歯磨き粉の製造プロセスを最適化、ライオンと日立が開発した新システムの仕組み

ライオンと日立製作所は、研究所で開発した歯磨き粉の製造プロセスにおける課題を事前予測し、最適な組成を自動提案するシステムを開発した。コンピューター解析による新材料や代替材料を効率的に探索する材料開発ソリューションで、歯磨き粉開発での製造プロセスにおける課題を解決する。同システムの導入により最大約40%の製造プロセス検討時間の削減を見込む。

ライオンが培った歯磨き粉製品開発の知見や原料配合の組み合わせ、物性測定データなどに、日立製作所のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術を適用して物性を予測するモデルを構築した。

研究所で新たに開発した歯磨き粉の粘度などの組成・物性の情報から移送性(歯磨き粉の流れやすさ)を事前予測する。また目標とする歯磨き粉の物性値を逆解析し、最適な組成情報などの候補を提案する。

組成開発の初期段階で製造プロセスの課題を把握できるため、製造の妨げになる事象の発生を抑制できる。今後、他製品への応用も視野に入れる。

日刊工業新聞2022年4月21日

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