IHIが「グリーン水素」本格参入へ、プラント建設に動き出す

オーストラリアで受注

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そうまIHIグリーンエネルギーセンター

IHIは豪州で二酸化炭素(CO2)を排出しないグリーン水素を太陽光発電から製造するプラントを建設する。クイーンズランド州営電力会社のCSエナジーから実証プラントの設計・調達・建設(EPC)を受注した。2023年8月に稼働し、約半年間実証する。水素製造能力は年50トン。IHIは50年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す中、重要技術の一つであるグリーン水素製造事業への本格参入に弾みを付ける。

CSエナジーが所有するコーガンクリーク石炭火力発電所の敷地内に建設する。IHIの受注額は数十億円とみられる。発電出力2500キロワットの太陽光発電に690キロワット級の水電解装置、リチウム電池電力貯蔵、燃料電池などを組み合わせ、水素を製造する。

エンジニアが常駐するほか、遠隔監視も実施。効率的な製造方法やエネルギー管理システムを確認する。蓄電池に電力をため、取引市場での販売も検証する。CSエナジーは実証プラントの運用を経て、発電出力が約10倍の商用プラントの建設を計画する。商用プラントではプロジェクトの規模が数百億円に達する見通しだ。

豊富な日照量で再エネ最適地の豪州をはじめ、世界では多くのグリーン水素製造プラントが計画されている。

IHIは「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」(福島県相馬市)で今回同様の地産地消型エネルギーマネジメントシステムを運用し、知見を蓄積してきた。今後も有力案件の受注が期待できる。CO2と水素からメタンを合成するメタネーション技術にもグリーン水素製造事業のノウハウを活用する。

同社は次世代燃料としてアンモニアに注力し、石炭火力発電での混焼などの実証に取り組んでいる。アンモニアの原料である水素の製造に参入し、上流から下流までのバリューチェーンを構築する。

【用語】グリーン水素=製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出しないもしくは適正処理した水素の呼称。クリーン水素などとも呼ばれる。石炭や天然ガスなど化石燃料から水素をつくる際に排出CO2を利用や地中貯留することで適正処理したものをブルー水素、再生可能エネルギー由来の電力を用いて水を分解して得るものをグリーン水素、再生可能エネルギー由来の電力でメタンを熱分解してつくるターコイズ水素とも呼ぶ。

日刊工業新聞 2022年3月23日

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