平均100万円を初めて超えた「中古車価格」、上昇どこまで
中古車価格の上昇が続いている。半導体不足で新車の生産が落ち込んで納車が遅くなり、中古車を求める顧客が増えているため。中古車市場では需給が逼迫(ひっぱく)しており、2月には平均取引価格が初めて100万円を超えた。
中古車オークション運営の最大手ユー・エス・エスによると、2月に成約した中古車の平均単価は前年同月比20・1%上昇の100万6000円。統計が残る1999年4月以降で最高額となった。伸び率で見ても、昨年2月から13カ月連続で前年同月の水準を1割超上回っている。
長引く半導体不足に伴う大手自動車メーカーの減産で、新車を注文してから納車されるまでの期間は半年程度かかるようになっている。この影響で、中古車の需要が拡大。一方で下取りに出される中古車は減っており、中古車市場では平均単価が上がりやすい環境になっている。
大手メーカーは挽回生産を図るが、本格的な生産回復のめどは立っていない。自動車販売業界の関係者は「原材料価格の高騰やウクライナ情勢もあり、中古車価格は今後も上昇しやすい」とみている。
日刊工業新聞 2022年3月16日