低迷続く米国新車販売、増加に転じたマツダをけん引した車種
日系自動車メーカー4社合計の2月の米国新車販売台数は、前年同月比12・0%減の約32万台と、7カ月連続で前年を下回った。半導体不足に伴う車の減産影響などが販売を押し下げた。米国市場全体の2月の新車販売も7カ月連続で減少。同月初旬のカナダでのトラック運転手の抗議行動で複数の車メーカーが生産調整を余儀なくされた影響も受けた。
メーカー別ではトヨタ自動車が同11・2%減と7カ月連続で減少した。ホンダも同20・6%減と、7カ月連続のマイナス。ただ需要は堅調で、車両の60%近くが販売店に届く前に販売済みになっているという。
一方、マツダは同8・3%増と、6カ月ぶりに増加した。スポーツ多目的車(SUV)「CX―5」と同「CX―9」が2月単月として過去最高となり、販売をけん引した。
調査会社マークラインズによると2月の米市場全体の新車販売台数(推定値を含む)は、同11・1%減の約106万台と、7カ月連続で減少した。在庫の逼迫(ひっぱく)が継続する一方、平均実売価格は2月として過去最高、販売奨励金は過去最低を記録したという。野村証券の桾本将隆アナリストらは2日付のリポートで米新車販売について「4月から急回復する」と予想。個社で影響は異なるが半導体不足や物流の混乱などの問題が徐々に解消すると見る。
日刊工業新聞2022年3月15日