惣菜盛り付けをロボットで自動化、業界団体主導で普及に弾みつくか

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ポテトサラダとマカロニサラダの盛り付けラインに導入したアームロボット

日本惣菜協会(東京都千代田区)の主導により、惣菜関連企業が工場で自動盛り付けロボットの導入に取り組んでいる。形や重さがふぞろいで多品種な惣菜を盛り付ける作業は自動化が難しい。惣菜製造には多くの人手が必要で、食品工場の中でも生産性が極めて低い。労働力不足が喫緊の課題となる中、惣菜の複数企業がロボットや人工知能(AI)導入を試行し、人手不足の解消や生産性向上につなげる。(大阪・池知恵)

日本惣菜協会が取り組むのが、経済産業省から採択された「令和3年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」。総菜を製造する複数企業に加え、総菜盛り付けロボット開発のアールティ(東京都千代田区)、システム構築のFAプロダクツ(同港区)、量子コンピューターやAI開発を担うグルーヴノーツ(福岡市中央区)など15社と同協会が参画した。

このほど食品スーパーで総菜製造も手がけるマックスバリュ東海は、弁当やサラダ、すしなどを製造するデリカ長泉工場(静岡県長泉町)で、自動盛り付けロボットを試行導入した。ポテトサラダとマカロニサラダの盛り付けラインに、コネクテッドロボティクス(東京都小金井市)の盛り付けロボットを導入。オフィスエフエイ・コム(栃木県小山市)、FAプロダクツがシステムなどを構築。3月中に新たに3台のアームロボットを追加する予定だ。

現在、盛り付け1ライン当たりに必要な7―8人を、今後は3―4人で運用できるよう省人化を目指す。

併せて、量子コンピューターを活用してシフト作成の自動化も実証を進めている。シフト作成の最適化で従来要していた年間約200時間の労働時間削減を想定するなど大きな効果が期待される。

アームロボット導入の実証は、ヒライ(熊本市西区)やイチビキ(名古屋市熱田区)など総菜各社もアールティ製ロボットで実施。シフト計算のアプリケーション(応用ソフト)開発は、ニッセーデリカ(東京都千代田区)、デリカスイト(岐阜県大垣市)なども進め開発が加速しつつある。

一方、総菜会社で自動化が進まなかった要因の一つ、多大な設備投資負担についても軽減を狙う。日本惣菜協会の荻野武AI・ロボット推進イノベーション担当フェローは「1社では投資回収の観点から自動化設備導入に踏み切れない」と現状を明かす。その上で共通のシステムやロボットを開発して導入する必要性を説く。「従来は1社2000万―1億円かかった投資コストを500万円ほどに抑えられる」(荻野フェロー)ため、業界のロボ普及に弾みが付く。

今後、同協会は各試行から共通課題を明確化し、広く総菜に関連する同業他社にも水平展開する計画だ。

日刊工業新聞2022年3月15日

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