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【独自調査】中小企業のロボット投資意欲が止まらない

日本の中小企業のロボットに対する設備投資意欲は依然旺盛だ。日刊工業新聞社が実施した「2022年中小企業ロボットアンケート(全国101社回答)」によると、ロボット導入に前向きな企業のうち、22年度のロボット関連投資計画について前年度比で増額すると答えた企業が3分の1を占め、同横ばいとした企業も含めると7割に達した。人手不足対応やコスト削減、コロナ禍の非接触需要の高まりを背景に、中小企業でもロボットによる自動化が着実に進んでいる。

調査は2月に実施した。回答企業の業種は自動車・部品と機械・工具がそれぞれ19%、鉄鋼・金属が18%、精密機械が11%、電機・電子とプラスチックがそれぞれ7%など。生産現場にロボットを導入済みの企業は全体の55%で、導入を検討している企業も含めると64%に上った。

これらの「ロボットを導入済み」「導入を検討している」と回答した企業に22年度のロボット関連投資計画を聞いたところ、前年度に比べて「増額する」が34%、「横ばい」が40%という結果だった。「減額する」は8%にとどまった。

比較対象とした21年度のロボット関連投資額で最多だったのは「1001万―3000万円」の20%。次いで「1―500万円」と「0円」がともに18%、「501万―1000万円」が15%、「3001万―5000万円」が11%、「5001万―1億円」が5%という順で、1億円を超える投資を実行した企業も5%あった。

投資額が0円だった企業の一部は、コロナ禍の収束が見通せない中、投資を先送りにした可能性がある。一方、先行きが不透明な中でも1000万円超を投資した企業が4割に上っており、ロボットの底堅い需要を裏付けている。


日刊工業新聞 2022年3月9日

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