クラウド利用進まぬ中小企業、指摘される懸念事項

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中小企業は、ネットワーク経由でIT基盤を活用するクラウドサービスの利点を理解できていない可能性がある―。MM総研(東京都港区、関口和一所長)が実施した中小のデジタル化の状況に関する調査で、こうした課題が示された。従来、日本の中小企業の生産性は大企業よりも低いとされる。解決に向けては費用対効果の高いIT環境の導入が選択肢となるが、導入の是非の判断に当たっても一定のIT知識は求められる。

クラウド利用企業はサーバーなどの機器を所有せずに済み、初期費用の低減につながる。データはクラウドサービス事業者のデータセンター(DC)内で厳重に管理されるため、オンプレミス(自社運用)に比べて機密性も高くなる場合が多いと考えられている。だがMM総研の調査結果では、クラウドを利用していない中小企業の懸念事項に「導入コストが高い」「セキュリティーに不安がある」が多く挙がった。

クラウドを利用中である中小企業の割合は49%にとどまり、中堅企業76%、大企業78%に比べて少ないことも指摘された。そもそもクラウドサービスを知らない、との回答は中小企業7%、中堅企業2%、大企業4%だった。中小企業は相対的にクラウド関連の知識が不足しており、その影響で実際の導入も低水準になっている可能性がありそうだ。

調査は2021年12月、全国の2000社を対象に、ウェブアンケートなどを用いて実施。内訳は中小企業993社、中堅企業304社、大企業703社。中小企業は、中小企業庁の定義に該当する企業。中小企業に当たらない企業で従業員数が1000人未満の会社は中堅企業、1000人以上の会社は大企業とした。

総務省の通信利用動向調査でも、クラウドサービスを使う事業者の方が、利用しない事業者より労働生産性が高いとの結果が出ている。20年時点で利用企業の労働生産性は678万円、未利用企業は518万円だった。

日刊工業新聞2022年3月7日

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