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生産制約・原材料高騰…自動車部品メーカーが相次ぐリスクにあの手この手

生産制約・原材料高騰…自動車部品メーカーが相次ぐリスクにあの手この手

日産は週単位で生産計画を見直す仕組みを取り入れた(イメージ、日産の栃木工場)

自動車部品サプライヤーが、半導体不足に伴う生産制約や原材料価格の高騰といったリスクへの対応を強めている。ヨロズは車メーカーの急な生産変動に対応するため、週単位で生産体制を構築。工場の稼働を抑えながら部品供給を継続する仕組みを導入した。パイオラックスは、樹脂素材を中心に安定調達が可能な廉価材への切り替えを進める。コロナ禍で生産制約などの経営リスクが業績を圧迫する状況が長期化しており、部品各社は固定費の削減を徹底する。

ヨロズは車各社の生産計画をベースに週末に翌週の生産体制を確立。車の足回り部品などを手がける工場の稼働を、1日または昼や夜の勤務シフト単位でまとめて停止し、光熱費などを抑える仕組みを導入した。在庫の持ち方も工場の稼働日に生産を集中し、半製品を含めて細かく管理する手法に改めた。日産自動車が週単位で生産計画を見直す仕組みを取り入れるなど、車各社も不安定な部品調達への対応に追われる。ヨロズは同様の取り組みを海外にも広げ、コスト削減を図る。

開閉機構部品などを手がけるパイオラックスは、2022年3月期に材料費高騰で前期比約8億円のコスト上昇を見込む。特に樹脂は北米での寒波に伴い発動されたフォースマジュール(不可抗力による供給制限)の影響が継続。供給遅延でパイオラックスの生産が遅れ、納期を守るため活用する航空便が収益をさらに圧迫する。廉価材への切り替えを進めるが、車メーカーの承認作業が必要になる。島津幸彦社長は「材料費の上昇分をコスト削減策ですべて取り戻したいが、1―2割いけば良い方ではないか」と話す。

河西工業は車の内装部品の一部生産工程を賃金の安い新興国に移管。米国とメキシコ間での移管の取り組みを、日本と東南アジア、欧州とモロッコ間でも進める検討を始めた。内装の革張りなど人手に頼る工程もあり、急な減産に伴う固定費の負担が大きい。生産計画が下振れても利益を出せる体制を築く。


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日刊工業新聞 2022年3月4日

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