電動化対応製品を開発するトヨタ計部品メーカー、応用したい技術力
愛三工業は、電動車向けにバッテリーケース、DC/DCコンバーター(電圧変換器)を開発する。バッテリーケースは、既存の自動車部品事業の技術を生かして、高い品質を実現し差別化を図る。DC/DCコンバーターは、飛行ロボット(ドローン)開発で培った知見を活用し、高い信頼性を実現する考え。開発と併行して顧客への提案活動を進めニーズを捉えて仕様を詰める。両製品ともに2020年代半ばまでに電動車での採用獲得を目指す。
愛三工業は、セル(単電池)を納めるバッテリーケースを開発し、車載電池メーカーに提案する。24―25年頃の実用化を目指す。DC/DCコンバーターは自動車メーカーに提案し、25―26年頃の製品化を狙う。両製品ともに電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)などで幅広い需要を狙う。
開発では既存の自動車部品事業で培ってきたアルミニウムのダイカスト、樹脂の成形、金型などの技術力を応用する。バッテリーケースはふたの寸法まで高精度化を実現するなどして品質面で差別化する考えだ。
同社は発電用エンジンと電池を搭載するハイブリッド型ドローンを開発。21年12月に愛知県豊田市で同ドローンを使った電力供給の実証実験を実施し成功させた。同ドローンには自社開発したDC/DCコンバーターを搭載しており、その技術を電動車向けに応用する方針。
同社が現在主力とする内燃機関向け部品は、長期的に需要減が想定される。そこで電動化に対応した部品事業を本格化し生き残りを図る。
日刊工業新聞2022年2月28日