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空気抵抗9%軽減した北京パラ向け新型チェアスキー、生かしたトヨタの技術

空気抵抗9%軽減した北京パラ向け新型チェアスキー、生かしたトヨタの技術

トヨタが開発協力した北京パラリンピック向けのチェアスキー

トヨタ自動車は、日進医療器(愛知県北名古屋市)などと共同で、2022年北京冬季パラリンピック向けチェアスキー「隼モデル02」を開発した。18年平昌大会でのモデルに比べ、空気抵抗を9%軽減し剛性を2倍程度高めるなど改良した。アルペンスキー女子座位に出場する村岡桃佳選手用の器具では、トヨタが初めて設計から製造まで一貫で手がけたカーボン製の車体カバーやシートを採用した。

日立アステモ、RDS(埼玉県寄居町)も加えた計4社で、トヨタに所属するアルペンスキーの村岡選手、森井大輝選手用のチェアスキーを開発した。車両開発で培ったシャシー設計やCAE(コンピューター利用解析)技術などを応用した。

トヨタは15年からチェアスキー開発を始め、現在は車開発や生産技術などの技術者も含めた約50人が携わる。榎本朋仁プロジェクトリーダーは「トップアスリートとの挑戦は人材育成にもつながる。用具で2人を支えたい」と力を込めた。

日刊工業新聞2022年3月1日

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