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国内初3Dプリンターで10㎡以上の建造物を施工

国内初3Dプリンターで10㎡以上の建造物を施工

今回施工した建築物イメージ

Polyuse(ポリウス、東京都港区)は製造する建設用3Dプリンターを使い、建築基準法に準拠した建造物を群馬県渋川市で施工した。MAT一級建築士事務所(群馬県吾妻郡)と協同で行った。国内での3Dプリンターを使った施工で、建築確認申請取得が必要な10平方メートル以上の建造物は初めてだという。

建造物の大きさは横6メートル、縦3~4メートル、高さ3メートル、面積は17平方メートル。事前に3Dプリンターで12個の建設用資材を製造し、現場で組み立てた。屋根の取り付けや内装工事を行い3月中に完成予定。従来の既存施工で2カ月ほど必要な期間を、1カ月ほどに短縮した。

施工期間の短縮や自動化のメリットから、海外の3Dプリンターを活用した建造物の事例は増えている。ただ、日本では耐震性や安全性など課題が多く進んでいなかった。同社も住宅としての機能や耐久性の検証をしたうえで、パートナー企業と協力して2023年に販売を目指す。価格は今回施工した建造物で600万円程度になる想定。今後より大型の建造物の施工も行う。

ポリウスは建設用の3Dプリンターを開発するスタートアップ。海外の建造物そのものを印刷する3Dプリンターとは異なり、建設用資材をコンクリート積層で作る3Dプリンターを開発する。


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小林健人
小林健人 KobayashiKento 経済部 記者
3Dプリンターの建設現場での活用は海外が先行してきました。海外では建造物そのものを印刷する形が多いです。同社は日本の安全基準などを考慮して、コンクリートの建築資材を印刷する3Dプリンターを製造しています。プリンターの販売と同時に、使い方を広げる取り組みも重要です。同社については以前取材した記事がありますので詳しくはそちらをご覧下さい。

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