「日本水仙」を良質に長持ちさせる。薬剤用法を開発
福井県立大学の木元久教授、同大学修士課程の横山夢花さんらの研究グループは、切り花にした日本水仙を、良質に長持ちさせる薬剤用法を開発した。冷蔵保存で課題となる葉の黄化に対し、植物ホルモンのジベレリンの単品利用で良好に3週間保つ。木元教授が設立したベンチャー企業が商品化する予定。
これまで定説だったジベレリンとチオ硫酸銀錯塩(STS)の併用法よりも、安く日持ちする成果を示した。また、つぼみが開花した規格外品の水仙には、STS単品利用で16日間、良好に花持ちすることを示した。
水仙は福井、千葉、兵庫の3県が主要産地で、11月―1月頃が収穫・出荷時期。実用的な日持ち技術がなく、出荷業務が集中し負荷となる。JA福井県が福井県大に依頼し、福井市も加わり2年かけ取り組んだ。福井県産の「越前水仙」は細身の特徴で人気があり、産地は独自の品質等級を設け、国内広域に出荷している。規格外品の水仙を新たなフラワー商品にする試みも始まっている。
日刊工業新聞2022年2月10日