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蓄電池の国際競争力高めろ、経産省が官民連携で一手

経済産業省は、蓄電池の生産規模目標を設定する。2030年ごろの蓄電池市場の見通しや、確保する市場シェアを踏まえて決める方針で、グローバルなサプライチェーン(供給網)の整備につなげる。電気自動車(EV)の普及に伴い、海外の電池メーカーは大規模な投資計画を通じて生産能力の強化に動いている。経産省は官民連携で蓄電池の競争力を高める。

9日に開いた蓄電池戦略を検討する官民協議会で目標値の設定を議論した。電池を現地調達するのが一般的なため、海外の生産拠点も含めた目標を検討する。生産性の向上や、原材料・部材の調達に向けた交渉力の強化には、一定の生産規模やシェアの確保が必要とみている。

車載用電池生産をめぐっては、経産省が30年までのできるだけ早期に100ギガワット時を目指している。海外勢による電池への投資が活発化しており、経産省は新たな目標を示して生産能力を強化する。

また電池の製造に必要な資源を確保する方策も議論した。海外では電池や自動車メーカーがニッケルやコバルトの権益を獲得する動きが目立ってきており、米国や欧州の政府による支援も進んでいる。EVなどの生産が増えることで、こうした資源の需要はさらに高まる見込み。経産省は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の出資支援といったリスクマネーの供給などにより、資源確保のスキームを検討する。

日刊工業新聞2022年2月10日

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