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好調持続する工作機械受注、部品不足の懸念は?

日本工作機械工業会(日工会)が発表した1月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比61・4%増の1430億8600万円で15カ月連続の増加となった。内需、外需ともに堅調に推移し、12カ月連続で1000億円を上回った。1400億円超えとなったのは2カ月ぶりで、日工会は「昨年後半以降の好調さを持続できている」(調査企画部)との認識を示した。

内需は同68・0%増の443億5100万円で、11カ月連続の増加。5カ月ぶりに500億円を割り込み、前月比も13・4%減と2カ月ぶりに減少した。ただ、半導体製造装置向け需要の継続や自動車関連分野の設備投資回復も進んでいる。日工会では「急激に勢いを失っている感じではない」(同)と捉えている。

外需は前年同月比58・7%増の987億3500万円で、15カ月連続の増加。950億円超えは2カ月ぶりで、前月比も12・2%増と3カ月ぶりの増加に転じた。大口受注を伴いつつも、欧米や中国などの主要市場で好調が持続していると推察される。

今後も当面は高い水準の状況が継続すると見られる一方、部品不足などの影響が懸念される。日工会では「現時点ではないが、部品の長納期化で機械の出荷が延びれば顧客の設備投資意欲に影響を及ぼしかねない」(同)としている。


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日刊工業新聞2022年2月10日

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