ニュースイッチ

カーボンニュートラルへ、ファナックが設定したCO2排出削減目標の中身

カーボンニュートラルへ、ファナックが設定したCO2排出削減目標の中身

生産性向上で省エネを進める(協働ロボ「CRXシリーズ」)

ファナックは2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指し、温室効果ガス(GHG)の排出削減目標を設定した。燃料の燃焼など自社での直接排出「スコープ1」と、外部から供給される電気や熱などの使用による間接排出「スコープ2」について、30年までに20年比42%削減。サプライチェーン(供給網)の上流や下流の間接排出「スコープ3」については、販売した製品の使用による排出量を30年までに同12・3%削減することを目指す。

30年までの各目標は、国際環境団体「SBT(サイエンス・ベースド・ターゲッツ)イニシアチブ」の認定を取得する方針だ。

本社工場(山梨県忍野村)、壬生工場(栃木県壬生町)、筑波工場(茨城県筑西市)で使用する電力の一部を再生可能エネルギー由来の電力にする。太陽光パネルの設置やさまざまな省エネルギー活動も加速する。

製品提供を通じた排出量の削減にも取り組む。工作機械向け数値制御(NC)装置をはじめとする工場自動化(FA)関連では、油圧制御から電動への置き換えを促進。低エネルギー損失のモーター設計、高速加工による稼働時間の短縮などで使用電力削減に貢献する。

産業用ロボットでは、ロボットを導入した顧客の工場で夜間稼働が進むことでピーク電力が分散され、再生エネを利用しやすくなるといった効果を見込む。小型切削加工機をはじめとするロボマシンでも、生産性の向上や消費電力の見える化などを推し進める。

21年12月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明した。気候変動を経営課題と捉え、自社のウェブサイトでTCFDの提言に沿った情報開示も行う。

日刊工業新聞2022年2月3日

編集部のおすすめ