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人の送迎と商品配達を同じ車両で実施。実証始まった自動運転の仕組み

人の送迎と商品配達を同じ車両で実施。実証始まった自動運転の仕組み

実証では送迎と商品配達を同じ車両で実施(自動運転車=ゆっくりカート)

愛知県春日井市と名古屋大学、KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市、中村元所長)は、春日井市高蔵寺ニュータウン地区で地元住民向けに自動運転による人の送迎と店舗からの商品配達を同一車両で行う貨客混載型の実証実験を始めた。KDDI総研の自動運転車両向けの運行管理システムを用いて、送迎を優先して合間に商品を配達するなど効率的な運行制御を目指す。

実証では、事前に登録した128カ所の停留所間を利用者の乗車、商品注文予約に応じて経路を決め、車両を運行する。

送迎時刻は十数分程度まで、商品配達時間は数時間までの遅延を許容するなど異なる制約条件を設けた上で、走行距離が最短となるよう経路を自動調整する。車両の稼働率を上げることで少子高齢化が進む地域などで実用化した際に収益を上げやすくする。

車両は、ヤマハ発動機の電動ランドカーを基に名古屋大が開発した公道を走行可能な低速自動運転車「ゆっくりカート」を使用する。実証期間は3月11日まで。

春日井市は広報活動、実証地区への協力依頼や住民参加の募集を担当。名古屋大は自動運転の実証企画や自動運転車の運行、KDDI総研は運行管理システムの開発・運用支援を担う。

日刊工業新聞社2022年2月7日

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