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次世代太陽電池に生かせる、電子通しつつ表面保護する酸化ケイ素膜が生まれた

名古屋大学の後藤和泰助教と東京大学の福谷克之教授らは、電子を通しつつ表面を保護する酸化ケイ素膜を開発した。薄膜中にケイ素のナノ結晶を含み、これが電子の通り道になる。同時に酸化ケイ素が不動態として表面を覆い、デバイスを守る。次世代太陽電池などに提案していく。

酸化ケイ素で成膜する際に酸素の多い酸化ケイ素やケイ素の多い酸化ケイ素で積層構造を作る。膜中央のケイ素濃度を高め、水素化アモルファスシリコンオキサイドを重ねて熱処理するとケイ素のナノ結晶ができる。これが電子移動を助ける。

結晶シリコンの上に成膜すると結晶シリコンの実行キャリア寿命が延びた。不動態による保護効果が確かめられた。電気特性を調べると抵抗が低かった。

酸化ケイ素膜の保護膜性能と低抵抗を両立できた。シリコン系太陽電池の信頼性向上などにつながる。

日刊工業新聞 2022年2月3日

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