ニッポンの航空機ビジネス「一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩さがる」
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川重、米で航空機部品生産。777X向けにライン新設
川崎重工業は24日、米国工場で航空機用部品の製造に乗り出すと発表した。15億円を投じ、米国現地法人のリンカーン工場(ネブラスカ州)にボーイングの最新鋭民間旅客機「777X」用貨物扉の組み立てラインを新設。2017年5月に製造を開始、18年初頭に出荷する。岐阜工場、名古屋工場に続く、航空機関連の主力工場に位置づけ、製造品目の拡大も検討していく。
17年3月までにリンカーン工場の既設建屋内の約2800平方メートルのエリアを整備する。現在、同工場では鉄道車両や四輪バギー車などを手がけている。航空機部品製造に当たり配置転換を計画しており、20年代前半の量産本格化時点では50人程度を見込む。
自動打鋲機(オートリベッター)や自社製塗装ロボットを導入し、製造の自動化や高速化、品質安定化を推進。貨物扉を効率的に組み立てる。
「777X」は大型機「777」の後継で、初号機引き渡しは20年を予定する。川重は777Xの開発・製造において、前部胴体、中部胴体、主脚格納部、後部圧力隔壁、貨物扉を担当している。現行の777向け貨物扉は岐阜工場近隣の企業に組み立てを外注しており、こちらは継続する。
日刊工業新聞2015年12月25日3面/航空機面