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建機出荷額「過去最高に並ぶ水準」も、今後の見通しに二つの懸念材料

日本建設機械工業会(建機工)が31日発表した2021年の建設機械出荷金額は、前年比27・3%増の2兆7568億5800万円と3年ぶりのプラスになった。国内向けは同0・2%減の9937億400万円で2年連続のマイナスだったが、輸出が同50・6%増の1兆7631億5400万円と大幅に増加して3年ぶりのプラスになり全体を押し上げた。とりわけ北米やアジアなどの伸びが目立った。

21年の出荷総額は、過去最高だった18年の2兆7589億円とほぼ同等となった。輸出金額も18年の1兆7956億円と拮抗(きっこう)しており「数字的には過去最高とほぼ並ぶ水準に戻った」(建機工)とみている。

21年の輸出の地域別は最大市場の北米が同53・9%増の5143億9500万円、欧州が同45・1%増の3166億9900万円、アジアが同61・0%増の1415億2500万円。豪州を抱えるオセアニアは同44・0%増の1239億1400万円。チリなど中南米は同72・2%増の321億3900万円。構成比率の低い中国は同9・6%減のマイナスだった。

建機工は21年度(21年4月―22年3月)の金額も、このまま行けばプラスになるとみている。コロナ禍に関係なく需要は好調で、21年12月単月も出荷総額が前年同月比29・8%増の2515億400万円、輸出は同47・9%増の1659億7600万円と14カ月連続のプラスだった。懸念材料は鋼材などの部材価格上昇と半導体不足。

コマツは22年1月受注分から国内市場向けの建機を平均10%値上げしている。


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日刊工業新聞2022年2月1日

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