好調続く建設機械の出荷額、今後も伸びが続きそうな理由
日本建設機械工業会(建機工)が発表した4月の建設機械出荷金額は、総合計が前年同月比37・6%増の2069億2300万円で6カ月連続のプラスとなった。輸出向けは同62・7%増の1493億6200万円で6カ月連続のプラス、国内向けは同1・7%減の575億6100万円で4カ月連続のマイナスだった。3月に続き、輸出の増加が全体を押し上げた。「北米と欧州に続き、アジアも増勢に転じるなど今後も伸びが続きそうだ」(建機工)とみている。
輸出では欧州が7カ月連続、北米が4カ月連続でそれぞれ増加したほか、オセアニアが9カ月連続でプラスになった。
豪州を中心に単価の高い鉱山機械の割合が多く、金額の伸びにつながった。インドネシアを抱えるアジアも3月に続いてプラスになった。チリを抱える中南米もプラスだ。「インドネシアを筆頭に、遅れていた鉱山機械の需要が動きだしている」(同)。
機種別ではミニショベルの輸出が同77・9%増と大幅プラス。堅調な北米の住宅需要に加え、欧州も前年に需要が落ちた反動で伸びている。
輸出の伸びに対し、不振に見える国内向けも「民需が中心の建設用クレーンが同23・2%減と足を引っ張っているためであり、土木系の官需は堅調だ」(同)とする。補給部品は国内向け、輸出向けともにプラス。建機稼働率が高い証しで、当面は堅調な状態が続きそうだ。
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日刊工業新聞2021年6月1日